2008年1月25日金曜日

信用収縮懸念後退による買い戻し

◆東京株式市場・大引け=大幅続伸、信用収縮懸念後退による買い戻し


日経平均<.N225> 日経平均先物3月限<0#JNI:> 
終値 13629.16 (+536.38) 終値 13660 (+600)
寄り付き 13258.77 寄り付き 13320
安値/高値 13248.89─13647.16 高値/安値 13300─13670
出来高(万株) 260904 出来高(単位) 141078
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 [東京 25日 ] 東京株式市場で日経平均は3日続伸。上昇幅は前日比で
500円を超え今年最大となった。モノライン(金融保証会社)の経営不安に対する懸念
がいったん後退したことで信用収縮不安が薄らいだ。他のアジア株も上昇し世界的なショ
ートカバーの流れが強まっている。銀行やノンバンクなど金融株のほか、商社、機械など
グローバル景気敏感株も買われ全面高商状。

 東証1部騰落数は値上がり1628銘柄、値下がり80銘柄、変わらずは22銘柄。

 今週の下げ要因だった米景気対策とモノライン経営に対する2つの不安がいったん後退
したことで、ショート筋が買い戻しを急いでいる。
 米政府と議会は24日、個人の税払い戻しや企業投資奨励策などを含む景気刺激策で暫
定的に合意。規模は1500億ドル程度とこれまでの予想範囲内だが、「市場には景気刺
激策が議会を通らないのではないかとの見方もあっただけに、安心感を誘っている」(S
MBCフレンド証券・投資情報部次長の松野利彦氏)という。

 また米資産家のウィルバー・ロス氏が米モノラインのアムバック・フィナンシャル
買収に向け協議を進めていると24日付英イブニング・スタンダード紙が伝えた
ほか、現地時間23日にはニューヨーク州の保険当局と金融保証会社およびその顧客が
会合を開いたことで、モノラインの経営不安もいったん後退した。市場では「当局が出て
くるというのはショート筋にとって一番の恐怖。ショートカバーラリーが米連邦公開市場
委員会(FOMC)前後までは続くのではないか」(三菱UFJ証券・投資情報部長の藤
戸則弘氏)との声が出ている。

 ただあくまでショートポジションの巻き戻し。世界経済減速や信用収縮懸念が払しょく
され新たな資金が入ってきているわけではない。「売りポジションの巻き戻しが加速して
いる。この流れにディーラーや個人の短期資金が追随する形で上昇に弾みが付いている
が、実需の買いは多くない」(準大手証券情報担当者)という。業種別でみても値上がり
率上位には金融や機械、商社など下げ過程で売りがきつかった銘柄が名を連ねている。

 来週は28日に米大統領一般教書演説、29─30日にFOMCとイベントを控えてい
るほか、経済指標でも28日に12月米新築1戸建て住宅販売、29日に11月S&Pケ
ース・シラー米住宅価格指数、30日に第4・四半期米国内総生産(GDP)速報値、2
月1日に1月米雇用統計と12月米ISM製造業景気指数と重要指標の目白押しだ。
 三菱UFJ証券の藤戸氏は「このまま世界的な株高が続けば米国が追加利下げする必要
性は乏しくなってくる。追加利下げ見送りとなれば、株式市場では失望される可能性が大
きい。さらに来週は、FOMC以外にも米GDPなど重要な経済指標の発表も多い。実体
経済の悪さが示される見通しであり、ショートカバーが一巡した後は再び波乱含みの展開
が予想される」と述べている。

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